ボトックス注射の効果は注入後、数時間〜数日(まれに1週間前後)で現れ、表情筋の収縮は減少あるいは解消する。
効果は永続的なものではなく、徐々に神経ブロックが解かれ3ヶ月〜8ヶ月で効果は消失する。製造メーカーであるアラガン社では 効果の持続期間は最長でも4ヶ月程度であるとしているが、実際に見ていると長い人では8ヶ月程度持続する人もいる。 かなり個人差があるように思える。
再注射のタイミングであるが、効果が完全に消失してしまってからではなく、まだわずかでも効果が残っているうちに行うのが良いと アラガン社のアドバイスにはある。
★ボトックスが効果を発揮するのは以下の症状の改善だ
- 表情筋による“しわ”
- 下あごの咬筋肥大を改善する小顔形成
- ガミースマイル
- 多汗症
以下、個々の状況について見てみよう。
★ボトックスはどんな“しわ”にも有効か
ボトックスを筆頭にボツリヌス菌による“しわ”取り効果であるが、どんな“しわ”でも取り除ける 魔法の注射ではない。この点において案外誤解している人が多いのだが、ボトックスが効果を発揮できる“しわ”は 表情筋に関連する“しわ”に限られる。すなわち、
- 額の横じわ(ウォーリーライン)
- 眉間の縦じわ
- 目尻のしわ(カラスの足跡)
以下のしわには残念ながら効果は無い、あるいはほとんど無い。
- 口元の笑いじわ(小鼻の横から口の周りを囲むくの字のライン)
- 口唇の真上、鼻穴の真下の縦じわ
- マリオネットライン(口唇の端からアゴにかけて斜めに流れるライン)
★ボトックスによるエラ治療
ボトックスは注射部位の筋肉の働きを一時的に麻痺させる作用があるので、下あごの咬筋(奥歯をぐっと噛み締めたときに盛り上がる 筋肉)が発達しているせいでエラが張っているように見える人の状態を改善し、顔ヤセさせることが可能である。ただし、この作用機序 からもわかるように、筋肉ではなく骨自体が張っている場合にはまったく効果を得ることができない。
★ボトックスによるガミースマイルの改善
口をあけて笑うと歯茎が露出して見えてしまう状態のことを「ガミースマイル」という。軽度な場合には、ボトックス注射を上唇と鼻の 間の部分の筋肉に行う事で改善することが可能。
★ボトックスによる多汗症の治療
多汗症はわきの下にある2つの汗腺、アポクリン腺とエクリン腺から分泌される汗の量が多いことで起こる。 このなかでエクリン腺から出る汗はアセチルコリンの指示によって発汗することが確認されており、そのためアセチルコリンの活動を 阻害するボトックス注射は、発汗を抑える効果かがあるということになる。
しかしながらお分かりのように、もうひとつの汗腺であるアポクリン腺からの汗の放出には効果が無い。 アポクリン腺からの汗の放出は、アセチルコリンではなくアドレナリンが関与しているからだ。