ボトックスのリスクと副作用

ボツリヌス菌の作用は神経伝達物質であるアセチルコリンの分泌を阻害して筋肉を麻痺させる神経毒にある。

ボトックス注射は1989年以来世界中の神経内科、眼科、および美容外科で広く利用されている生物由来製剤で、 適切な使用が行われる限り安全性に優れた製品だといわれている。

実際、これまで審美的目的によるボトックス注入で、重篤な被害が生じた事例を筆者は知らない。

クリニックでは当然のことながら、十分に注意して安全な範囲内での治療を心がけていることと信ずるが、それでも患者さんの身体に ストレスを生じさせる行為には違いがないため、リスクや偶発的なトラブルが生ずる可能性はゼロではない。さらには、 個々人が生まれながらに持っているあるいは生活習慣の中で培われた免疫力や基礎体力などが異なるため、リスクに関する判断は一様ではない。

一般に、偶発的なトラブルや感染症が生じても、治療費の返還は行われない。

この治療で起こりうるリスク

注入部位にもよるが、ボトックスが液体で注射されるためその量により拡散し、近隣の筋肉に作用し以下の副作用を招く可能性がある。

  • 目が赤くなったり目を閉じるのが困難になる症状、なみだ目、目の乾燥
  • つばを飲み込むのが困難となる嚥下障害(注入部位による)
  • 頸部筋脱力感
  • まぶたの下垂(眉間に注入したとき)
  • 一時的な顔面麻痺
  • 注射部位の皮下血腫(腫れ・疼痛・打撲のようなしこり・紅斑)
  • 注入部位における違和感、疼痛
  • 倦怠感
  • 吐き気、インフルエンザ症候群
  • アナフィラキシー様症状
  • 頭が重い、頭痛
  • 麻酔によるアレルギー反応やショック症状
  • 注入時の感染症
  • 急激な血圧の低下
  • その他禁忌の人が治療を受けた際の症状の悪化

術後の腫れや回復には個人差が大きく、翌日からまったく違和感なく過ごせる人もいる一方で上記の症状が長引く人もいる。 いずれにせよ、時間とともに軽快はする。

眉間のシワ治療でボトックスが使用される際の最も一般的な副作用は、米国アラガン社の資料では頭痛(13.3%)、呼吸器感染(3.5%)、 瞼の下垂(3.2%)、吐き気(3.0%)、インフルエンザ症候群(2.0%)

瞼の下垂は ボトックスの注入量が過剰だった時に起こる注入技術の問題といえる。あるいは、本人がクリニックの指導を無視して 揉んだりしたときにも起こりうる。

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